パニック症とは

パニック症は突然理由もなく強い不安や恐怖が生じ、動悸・息苦しさ・めまいなどの身体症状を伴う「パニック発作」を繰り返す疾患です。発作への恐怖から外出や乗り物を避けるなどの回避行動が生じ、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

原因

パニック症は単一の原因ではなく、複数の要因が重なって発症すると考えられています。

☑脳内神経伝達物質の調整異常→セロトニン・ノルアドレナリンなどの働きの乱れ。

☑遺伝的要因→家族に不安症がある場合、発症リスクがやや高いとされています。

☑ストレス・生活環境→過労、対人関係、環境の変化などが発症のきっかけになることがあります。

☑性格傾向→心配しやすい、身体感覚に敏感、完璧主義などの傾向が影響することがあります。

 

|疫学|

生涯有病率:日本では約1〜3%

発症年齢:10代後半〜40代に多い

性差:女性にやや多い

併存症:うつ病、広場恐怖症、不安症などを伴うことが多い

症状

以下のような症状が急激に現れ、数分以内にピークに達します。

☑動悸・胸の圧迫感

☑息苦しさ・過呼吸

☑めまい・ふらつき

☑発汗・震え

☑「死んでしまうのでは」という強い恐怖

☑予期不安:また発作が起きるのではという恐れ

☑回避行動:電車・車・人混み・外出を避ける

診断法

☑問診を中心に行います

☑発作の頻度・状況の確認

☑身体疾患の除外(甲状腺疾患、不整脈など)

☑心理検査の併用

治療法

適切な治療により改善が期待できる疾患です。治療は以下を組み合わせて行います。

1. 薬物療法

☑SSRI(第一選択)

☑SNRI

必要に応じて短期間の抗不安薬を併用することがあります。脳内の神経伝達物質のバランスを整え、発作や予期不安を軽減します。

 2. 認知行動療法(CBT)

☑認知の修正

☑曝露療法  

発作への恐怖や回避行動を少しずつ改善していきます。

3. 生活習慣の調整

☑睡眠の改善

☑適度な運動

☑カフェイン・アルコールの調整

 4. 補助的アプローチ

☑呼吸法

☑マインドフルネス

☑自律訓練法

|当院での対応|

当院ではパニック症の方が安心して治療に取り組めるよう、以下の体制を整えています。

☑丁寧な問診と医学的評価

☑薬物療法と心理的アプローチの併用

☑生活改善のサポート

☑再発予防のための継続フォロー

パニック症は「治らない病気」ではありません。適切な治療を行うことで、多くの方が日常生活を取り戻しています。